SUZUKI RGB500mk9 T*T Rac***
1984年 RGB500mk9
We currently own a 1982 ex-works Randy Mamola 500cc
Suzuki Team Gallina bike and an ex-Barry Sheene 1983 500cc Suzuki,
as used by Barry in 1983 GPs
and also used by Yorkshire's favourite son Mick Grant in 1984.
The last race Mick used this bike in anger
he won the 1984 Macau Grand Prix.
この英文は、T*T Rac*** & Performance Tyresが
所有するRGB500Ⅲ（mk9）について説明している内容の原文を記したもの。
これによると…
我々は、現在1982年のRandy Mamola、チームガリーナの車輌と
1983年のBarry Sheeneの車輌を所有している、とのことで
さらに、そのBarry Sheeneの車輌は、翌年の1984年、Mick Grantによって使われ
Macau GPが最後のレースになったと言うのである。
非常に興味深い話である。
では、その素晴らしい車輌を、じっくりと拝見させていただこう。
T*T Rac***が説明する1982年のRandy Mamola、チームガリーナ車輌とは
この車輌を示すということを前提として確認しておこう。
実は、この車輌ではなく、他に別の車輌を隠し持っていたというオチであれば
ここから先の内容は、読むに値しない。
さて、まずは1982年のチーム状況を考えてみると
1982年は…
HBチームスズキは、Randy MamolaとVirginio Ferrari
チームガリーナは、Franco UnciniとLoris Reggiani
となっており、1982年にRandy Mamolaは
チームガリーナには所属していないことが分かる。
つまり…
1982 ex-works Randy Mamola 500cc Suzuki Team Gallina bike
このような車量は、この世に存在しないのである。
しかし、そこは人間、勘違いすることもあるでしょうから
もっとも近い勘違いとして、1982年のXR40ではなく
1983年のXR45であったと仮定しよう。
チーム状況も…
HBチームスズキは、Randy MamolaとAnton Mang
チームガリーナは、Franco UnciniとLoris Reggiani
となっており、1983年もRandy Mamolaは
やっぱり、チームガリーナには所属してはいないが
まあ、Franco Unciniとごっちゃになってしまったのだと仮定しよう。
しかしながら、車輌の前に置いてあるゼッケン6番のRandy Mamolaが
1983年のXR45にまたがっている写真が飾ってあることから
恐らくは…
1983 ex-works Randy Mamola 500cc HB Team Suzuki bike
を所有していると言いたかったのではないかと思われる。
けど、それにしても凄い！
1983年のXR45だなんて、凄過ぎでぇえええす！！
私がこの車輌の存在を知ったのは、同社のWebSite上に紹介されていた
RGB500mk7を見かけたことに起因する。
その後、様々なイベントに、その都度、色を塗り替えての登場に
苦笑しながらも注目していたが、ついに決定的な事件が発生！
それが、名門クラシックレーサーによる特集記事だったのである。
その時は純粋に、とても綺麗にレストアされたRGB500Ⅲ（mk9）だなぁ…
と思っていたのだが、表紙の文字に愕然としたのを覚えている。
SUZUKI XR45 Under The Spotlight
だけど、見てぇぇええ！！ ハンドル回りの写真も、完璧なⅢ型！
どこのページに、スポットライトを浴びるXR45が掲載されているのぉぉぉッ！？
ぬう…
XR45が掲載されているというから買った本だ。
どこかに掲載されているに違いない。
とにかく、じっくりと検証してみる必要がありそうだ。
ワークスの顔でもある、削りのフォークは、何mmを使っているのか？
あれ？ 三型の純正…かぁ！？ キャリパーも市販車の流用？？？
ホイールは、前後ともGSXR辺りの純正？
いや、まあ、まてよ…
この車輌は、走らせるのが前提だから
足回りは、むしろ前後17インチで市販車の流用は賢い選択かも知れない。
なるほど、なるほど…。
おお、エンジンもXR45からRGB500Ⅲ（mk9）に換装しているのかぁ…
ちなみにマモラは逆チェンジじゃなく、左足でシフトしてたけど
現状は、今の乗り手に合わせて変更したのかな？
純正のⅢ型は、どちらでも使えるようになっているけど
ワークスの車輌は、ライダーに合わせてシャーシーを設計するから
マスターの取り付け部分やシャフトは、わざわざ作り直したんだなぁ。
なるほど、なるほど…。
ご丁寧にストリップを用意していただいて恐縮である。
これを見ると、はっきりするのだが…
素晴らしい、完璧なRGB500Ⅲ（mk9）である。
XR45のフレームは、Ⅲ型よりも遥かに小さい。
だから、Ⅲ型のフレームにXR45のエンジンを載せることは可能である。
しかし、XR45のフレームに、RGB500Ⅰ/Ⅱ/Ⅲは載せられない。
つまり、この車輌は、エンジンをRGB500Ⅲ（mk9）に載せかえるために
フレームまでも、XR45からⅢ型に換装したのであろう。
何ともご苦労様な話である。
いずれにしても、素晴らしい車輌であることは間違いない！
この車輌が、XR45だろうと、RGB500Ⅲ（mk9）だろうと
そんなことはどうでもいい。
これだけのコンディションを維持しながら
世界中の人々の前に、あの雄姿を演出し続けることこそが
とても意味のある素晴らしいことなのだ。
T*T Rac***には、あらためて感謝の意を示したい。
RGB500Ⅲ（mk9）よ、永遠なれ…！
