SUZUKI RGB500U Development Project

RGB500mk8

インターネットの力は、本当に凄いと思う。
それまでは、毎月雑誌を購入して「売ります・買います」のコーナーを
隅々まで見ながら、コツコツと部品収集をしていた。
それが、今はどうだろう?
1時間もあれば、雑誌1年分の売買情報が閲覧できる。
当然、欲しい部品との出会いも多くなるわけだ。

そして、ある日…
このヤフオクの出物に、私は出会ってしまったのである。
新品のRGB500U(mk8)のアルミタンクと外装…
高額ではあったが、私は、落札することに成功した。
思えば、本物のRGB500部品との最初の出逢いであったかも知れない。
GSXRで有名な某SHOPで、実際に走らせていた車輌のスペアらしい。
箱の表には、メーカーから出荷された伝票が残っていた。
新品のまま使われずに、奇跡的に残っていた大変貴重な部品である。
実際に手にしたときの感動は、今でも忘れることはできない。
私は、この瞬間にRGB500U(mk8)の新車を作ろうと思い立ったのである。

RGB500mk8

その日から、部品収集は過熱した。
なるべく新品の部品にこだわり、世界中から収集した。
あっと言う間に、10数年の月日が経っていた。

そして、ついにその時が来た…!
RGB500U(mk8)のフレームが見つかったのである。

RGB500mk8

いつかこの日が来ると信じて探してはいたものの
いざ、それを目の前にすると、さすがに緊張するものだ。
フレームさえあれば、これまで収集して来た部品を組み上げて行くことができる。

これは、大きな一歩を踏み出すことになった。

RGB500mk8

ブラスト&ウレタン塗装を施して、新車の輝きを取り戻したフレームに
新品のアルミタンクを載せて見る…。
う〜ん、やっぱり新品の部品は素晴らしい。
とても20年以上前の車輌とは思えない、これは本当に完成が楽しみである。

RGB500mk8

主要の部品をそれっぽく並べて見た。
なんとか、ローリングシャーシーには出来そうな感じだ。
しかし、ここに来て新たな問題が発生してしまった。
保管場所である…。
この先の作業を続けると、部品は途端に車輌になってしまう。
これまでは部屋の片隅で作業出来ていたのだが
車輌となってしまうと、そうもいかない。
足回りを組み始める前に、まずは保管場所を確保しなければならない。
これは、私にとって大問題である。

RGB500mk8

ワークスのステムをGETした!
XR3510-27と刻印がある。
測ってはいないが、オフセットが27mmということだと思われる。
グソグソだった古い塗装を剥離すると、マグの地が姿を表わした!
ワークスのステムは、190mm、195mm、200mm、205mmの4種類がある。
190mmのこのタイプは、GS1000RやKATANAなどにも使われていることから
最も人気が高く、激レアな逸品であろう。
しかし、RGB500で使うには、少々制限があるのだ。

RGB500mk8

ここでも新品の部品を惜しげもなく使う。
フロント回りとしては、欠品もなく、完全な状態に組み上がった!
キャリパーもマグに拘って探し続けた。
なぜなら、苦労して入手したリアキャリパーがマグであったために
フロントもマグで組みたかったからである。
今は修理のために入院しているリアキャリパーが退院して来れば
前後のキャリパーとフロントフォークのセットで、マグマグとマグである。

RGB500mk8

フレームに組んで、ガレージに並べてみる。
新設したガレージによって、保管場所による私の悩みは解消した。
いつの日か、開発途中の車輌が、ズラリと並ぶ日を夢見て
今日も全開で働くのだ!

RGB500mk8

190mmピッチのステムでは、センター幅が78mmのホイールしか使えない。
そのために、おのずとホイールサイズは18インチになりがちである。
78mmの18インチのカンパやダイマグは
GS、刀、Zシリーズなどの4サイクル車でも流用されることから
流通している数も多く、現在でも比較的入手し易い。
しかし、カンパやダイマグで、78mmの16インチとなると
激レアで入手困難なのである。
加えて、ローターのオフセットも、51mmのタイプしかボルトオンにならない。
「タコアシ」や「ヒトデローター」の呼称で有名な、51mmのローターは
RGB500では、センター幅78mmのホイール専用となるのだ。

RGB500mk8

私的にも、フロント16インチが好みなので
この190mmピッチの制限は、他の車輌への転用も効かず
なかなか気難しい部品なのである。

RGB500mk8

これが、入院中のマグネシウムボディのリアキャリパーである。
レース中、緩んだボルトのまま、走行を続けた結果だろうか…
残念ながら、ネジ山が飛んでしまっている。

さてと…
どうしたものだろうか?

RGB500mk8

そんな時は、Power Productionに駆け込むのである。
そして…

見よ!
これが神の手によって復活したお宝である。

RGB500mk8

見事、ブッシュ加工によってネジ山は復活した。
機能性を考えて、エンザートのような部品をチタンで製作し
高度な技術により圧入されたのである。

RGB500mk8

おおっ!! 素晴らしい!
なんてカッコいいキャリパーなんだろう?
やっぱり、ワークスの部品はイイねぇ…
今日はリアキャリパーくんのささやかな退院祝いをするとしよう。

RGB500mk8

さて…
思えば、いろいろな部品を使って来たものだ。

RGB500mk8

その殆どが新品部品と来れば、何とも贅沢であることは分かっている。
だがしかし…
こうして見てみると、意外と部品は少ないものだと感心する。

RGB500mk8

サービスマニュアルで大別すると、すべての部品は「Fig.1〜Fig.34」まで。
そのうち、11個がエンジン関係だから
車体を組むためには、23個の項目をクリアすればいいわけだ。
部品をアッシー単位で考えれば…
約30個の部品を集めれば、車輌になってしまうという計算になる。

RGB500mk8

本当にそうなのだろうか?
よし、さっそく実験してみよう!

RGB500mk8

苦労して収集した手持ちの部品をすべて合体させるという試みだ!
エンジンに関連する項目は、このラジエータを取り付けると…
残りは、ちょうど10項目となる。

RGB500mk8

何となくだけど…
1/1スケールのプラモデルの完成が見えて来たぞ!

ってゆうか…
やっぱり、RGB500T(mk7)のチャンバーは似合わないな。
RGB500U(mk8)純正の本来のチャンバーを使おう!

RGB500mk8

アンダーカウルを取り付けてみる…
エンジンレスだけど、ラジエータとチャンバーを付けてあるから
カウルの取り付け位置に問題は出ないだろう。
おお、雰囲気が出て来たなぁ。

RGB500mk8

アルミタンクを乗せてみよう!
スズキから出荷された状態で長期保存されていた新品。
凹みはおろか、小傷もなしの完全、完璧な純正品。
やっぱり、オリジナル塗装はいいねぇ…

RGB500mk8

ぬおぉぉぉぉッ…!
なんじゃこりゃぁ…(ジーパン刑事風)!?

RGB500mk8

おお、実験は大成功だぁ!
これは、もう、車輌ではないか!!

RGB500mk8

それにしても…

RGB500mk8

なんて美しい車輌なんだろう?
エンジンなんて、いらないぜッ!!


…んなわけには、いかないだろうなぁ。

RGB500mk8

1号機くんとご対面!
お互いに、ちょっとビックリしている様子。
そうだよなぁ…
付き合いは長いけど、お互いの姿を見るのは、今日が初めてだもん。

RGB500mk8

なんだよ、超カッコいいじゃん!

途中、何度か挫折しそうになって…
部品のまま、売ッ飛ばしてしまおう計画もあっただけに
この勇姿を見れたことは感無量です。

だけど、ゴメン。
肉体的にも精神的にも、そして経済的にも、ここが限界かも!?

どうなる…2号機??? お前は、完成するのか!?
それとも、この巨大な部品のまま、一生を終えるのか?

THE ローリングシャーシー RGB500U(mk8)

今の君の名前さ。

結構、良い名前だと思うけどな、ダメかな? …ダメだろうな。
はぁ〜っ…。

そして、奇跡が…!?
icon ここ掘れ、ワン! ワン!!



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