SUZUKI RGB500V Development Project

XR45 私が最も敬愛するのは、XR45のHBである。 しかし… XR45を作るという思案は決して成り立たない。 なぜなら、ワークスマシンという存在は それ以上でもなく、それ以下でもない、単に それそのものであること以外に ワークスマシン足る定義がないのである。 そんな中で、この夢の車輌を作るとしたら 市販レーサー、RGB500Vをベースとして プロジェクトを旗揚げするのがベストだろう。 その魅惑の容姿は実に良く酷似している。 もちろん、似ているというだけで RGB500Vは、XR45ではない。 ここ最近、海外の現存するRGB500Vが XR45と称して紹介されるケースがある。 意図的なものなのか? 本当に、XR45と見分けがつかないのか? その真意は分からないが とにかく、なげかわしい限りである。 RGB500Vは、XR45と比較しても 決して、引け劣る存在ではない。 せっかく、XR45仕様にカスタムしたのだから RGB500V(XR45仕様)と謳えばいいのに RGB500Vであることを隠すように XR45の名を語る輩が多いのだ。 特に、海外の某有名雑誌には失望した。 明らかに、RGB500Vである車輌を 堂々とXR45に仕立て上げてしまっている。 登場から20年以上も経つと 何でもありありということなのか!? RGB500Vを愚弄するな! と私は、声を大にして言いたいと思う。


私は、いつの日か必ず、XR45仕様にしたRGB500Vを作る!
そして、アルミフレームのRGB500Vを作るなら
絶対に、このカラーリング以外には考えられない!
このHBカラーでなければ、ダメなのである。

できることから始めよう!!
私は、さっそく、缶スプレーを握ったのである。

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まずは、アッパーカウルから塗ってみよう!!
ゼッケン部分を中心に、黄色に塗ってみた。

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ラインテープでゼッケンを描いてみる。
資料を見ながら、寸分違わぬ状況で塗り分ける。
マスキングをして、鮮やかな水色を塗った。
生乾きのうちにマスキング剥がして乾燥させる。
明日は、濃い方の青色を塗ってみよう!

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正面から見て、左右を対称にするのが難しかった。
缶スプレーなので、グラデーションには悩まないで済んだ。
とにかく販売されている色で、水色、青、紺を選択した。

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上部の先端は、最終的に「HB SUZUKI」のステッカーが
貼られることを考慮しながら紺色を噴いた!

おおっ! グラデーションが美しい。
やっぱり、HBカラーにして良かった!!

こうなって来ると、ステッカーを貼りたくなってしまう!
仕上げは、あとで…と思っていたのだが、とりあえず
アッパーカウルだけでも完成させてしまおうという気になってしまった。

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ぬおぉぉぉぉっ!! なんてカッコイイんだろう。
これだけでも雰囲気が出てしまっている…。
こうなったら、同じゼッケン1番にしたい!!

しかし、私は困ってしまった。
市販のゼッケン番号のステッカーでは、この当時の風格が出せないからだ。

ならば、本物から型を取ればいいではないか!
…ということで、そうすることにした。

同じ年代のスズキワークス車輌なら、同じデザインのゼッケンを使っている。
私は紙と鉛筆を持って、某所のワークスマシンに近づいた。
わずか3秒の早業で、私はゼッケンの型を取った!

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型からおこしたゼッケン1番は、完璧にカッコ良かった!
本物の風格がにじみ出ているのが分かる。
いよいよ完成が楽しみになって来た…。

さて、私が次に取り掛かったのは、タレ付きのシートであった。
もちろん、XR45風味に加工しての塗装作業は
難易度(高)のスーパーテクニックを要する難所だ。
失敗の許されない、究極の作業が始まった。

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シートの上部をマモラ車輌を真似てカットするために、下書きをする。
資料を参考にしながら、まったく同じように切り込みを入れて行く。
アクリルカッターを使い、時間をかけて、ゆっくり、ゆっくり切り落とす。

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エアダクトも左右が対象になるように、丁寧に削って穴を広げて行く。

そして、いよいよ塗装を開始する!

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ネットは、トヨタ・ハイエースのエアクリーナーに使っているものを流用する。
リベットの数、位置も、資料を確認しての完璧作業!!

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全体を白で再塗装してから、黄色部分を塗り分けた。
境界線にゴールドのラインテープを貼る。
塗装でやろうかどうか迷った黄色の2本線は、ラインテープを使った。
おぉぉぉぉぉっ、すげぇええぇぇぇぞ!
これは、本物以上に本物になった…かも!?

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完成!! 仕上りには大満足。
缶スプレーでも、頑張って塗れば、ここまで出来るんですなぁ…。

よ〜し、この調子で、次も頑張るぞ!!

paint

いよいよ、最大の難関でもあるアンダーカウルの登場です!
面積が広いから、マジで難しい。
まずは、プラサフを塗って、戦闘準備である。

ガ〜ン!! 1回目の塗りではゼッケンが曲がってしまった!
白を塗り直して、ようやく上手く塗ることが出来た。
よし、この調子で反対側も頑張ろう!!

塗装

うっしゃぁぁぁぁ!! 反対側も成功し、ついに完成!!
我ながら、「よくできました!」です。

そして、その日がついにやって来た!!
私は、RGB500Vのアルミタンクを手に入れたのである。

alu_tank

左端が純正のRGB500Vのアルミタンク。
そして、白地のタンクが今回手に入れた超希少品のお宝物。
だがしかし、よ〜く見ていただきたい!
右側側面が大きく歪んでいるのが分かるだろうか?
恐らくは転倒などにより、凹んだりしたものを修正したためだと思う。
けれど、そんなことよりも、これだけの雄姿を残して
流れ流れて、私のところまで辿り着いて来てくれたのが嬉しい。
形さえあれば、あとは何とかなる!
うん、よし! さっそく作業開始である。

alu_tank

とにかく、叩いて、叩いて、叩いて…
そして、叩いて、叩いて、叩いて!
それでも、叩いて、叩いて、叩いて。

左の状態から右の状態へ…
大まかに歪みが取れていっているのが分かるだろうか?

alu_tank

ふ〜う…
ようやく、左右対象になって来た。
あと一息ってところだろうか?

alu_tank

左側が、大まかに歪みを修正した直後のタンクの様子。
タンクの入口から腕を突っ込んで内側から叩き出したのである。
我を忘れて作業に没頭していたら、腕が内出血だらけになってしまった!
だけど、そんなの関係ねぇ(もう古いか)…
少し、ふっくらと原型を取り戻したのが右側の状態。
アルミって、柔らかいから作業は楽なんだけど
一度、伸びたところは二度と縮まないから整形が難しい。
だから最後の仕上げは、軽くパテで整形した。
今回は、RG500TT1のタンクを修正した経験が活きた!
殆ど、重量は変わらずに、修正作業を終えることができた。

alu_tank

そして、塗装開始!
アッパーカウルの時とは逆に、紺、青、水色、黄色の順に塗って行く。
写真は、最後の黄色を塗るところ。
ここまでノーミス、我ながら大したもんだと、自分を褒め称える!

ところが…!

alu_tank

完成したぁぁ!! と思いきや…
塗料が乾燥して行くにつれて、「S」マークが縮んで行く…。
タンクの目の前で、なすすべもなくうろたえる私。

ち、ちぢむなァァァ! 縮まないでくれ〜ッ!!

alu_tank

しっかりと完璧に縮んだ「S」マーク。
ありがとう、最後の最後に、こんな素敵な仕打ちを…。
おかげさまで…
ぜんぶ、さいしょから、やりなお〜し!!

まあいいさ、一歩進んで二歩下がるのには慣れている。
原因は、恐らく気温の低さだろう。
気温が低いと乾燥に時間が掛かり、その分、ステッカーが塗料にさらされる。
塗料にさらされたステッカーは、ふやけて縮んで行くのだ。

分かっちゃいるけど、止められないっと…

こうして、私はまたひとつ賢くなったのである。

そして…
icon ついに、その日がやって来たのである!!



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